公益社団法人 高岡青年会議所

理事長所信

理事長所信とは、メンバー、そして地域の方々に向け、

2021年度の高岡JCの考え方や取り組むべきことを示したものです。

 

2021年度の大坪理事長の考えやその意気込みをぜひご一読いただければと思います。

理事長所信

2021年度公益社団法人高岡青年会議所
第51代理事長 大坪 洋輔

協心勠力

~持続可能な高岡を実現するため 青年よ 躍動せよ~

【はじめに】

終戦からわずか4年の1949年、正しく時は戦後の混沌とした状況の中、その混沌とした中に未知なる可能性を見出し、「新日本の再建は我々青年の仕事である」という使命感の下に日本の青年会議所の灯は燈りました。始めは小さな燈火であったその運動は、時代の変革とともに少しずつ、そして確実にそれぞれの地域の一隅を照らし、1970年に高岡青年会議所が設立してから50年という歴史を刻むことができました。これも偏に、想いのバトンを弛むことなく我々に受け継いでくださいました先輩諸兄のご尽力の賜物と、日頃より我々の運動に対しご理解とご支援、ご協力を頂いております行政並びに関係諸団体、地域住民皆様のお陰でございます。改めて敬意を表すとともに深く感謝申し上げます。

 さて、2021年度は、50周年を機に、新たに策定した基本理念「地域(まち)の文化を創るひとをつくる」を掲げ、持続可能な地域社会の実現に向けて、新たな一歩を踏み出すことになります。今を歩む私たちは、次代を担う人たちが笑顔で豊かな心をもって暮らしていけるまちを想像し、行動しなければいけません。私たちのまちには可能性に満ちた素晴らしい人財がたくさんいます。そんな人たちをつなげることで可能性が大きく広がり、希望に満ちたまちが現実のものとなるのではないでしょうか。

高岡のことをともに考え、高岡のためにともに行動する「ひと」で溢れるまち。そんな、「一度訪れたいまち」、「何度来ても飽きないまち」、「癒されに赴くまち」、「子どもたちに触れさせたいまち」等、様々な想いに応えることのできる市民性を全国、全世界へ発信できることを目指して、いざ、躍動しよう。

 

【運動は数 数は力 拡大なくして運動なし】

より良い地域を創るには、より良い運動を生み出すことであり、我々はその機会を創造するものですが、人が様々な役職や仕事を担うこと、思考を巡らせ計画を練り、議論を交わすこと、組織や人を動かすこと、これらの過程を経て青年会議所の運動が生まれます。

そして、それは仲間があってこそ成しえるものであり、また、人の数が多いほど多様な考えの中で、よりインパクトある魅力的な運動となります。

運動は数です。数は力です。

しかし、現在の会員数は減少傾向にあり、これは、青年会議所の魅力を市民に伝えきれていないことが要因の一つに挙げられます。

では、どういったことに共感をしてくれるのでしょう。

それは、やはり、我々の姿を魅せていくことではないでしょうか。その姿に共感するからこそ、新しい同志を迎え入れることにつながるのです。

そして、人の共感を得るためには自分が発する説得力ある言葉によって心を動かしていかなければなりませんが、言葉に信頼性を持たせるには、頭だけで組織の魅力を理解することでも、口先だけで説明力を磨くことでもなく、実体験を有することが重要です。その体験でもって自分の言葉や成長した態度や行動で組織の魅力や有用性を候補者に伝えていきましょう。

 

【効果的な広報戦略からの運動発信】

私たちの運動をより強く推進する上で、情報発信は重要な役割を持っています。これまで私たちは、紙媒体やホームページ、SNSを使用し、情報発信を行って参りました。しかし、それらの広報媒体の特性を活かした効果的な情報発信には至っていないのが現状ではないでしょうか。青年会議所の理念である明るい豊かな社会の実現のためには、多くの人々に我々の運動を伝え、共感を得る必要があります。情報発信をより効果的に行うには、伝える手段について考えるのはもちろんのこと、誰に何を伝えるのか、何のために伝えるのかということをしっかりと考えなければなりません。いかに良い事業を行っていても、人々に伝わらなければそれは活動に終始したものでしかなく運動への昇華は望めません。

インターネットによる情報伝達が主流となっている昨今、溢れる情報をかき分けながら対象者に届けていかなければならず、伝えたいターゲット層の共感を得るための広報戦略が求められます。有効な情報発信を対象者に行い効果的な広報活動を戦略的に実行し、事業における様々なカウンターパートとの協働や対象となる人々に一方向的な発信に留まることのない共感を生む伝達をしていくことで、市民意識の変化による参画を促し地域の発展につながる広報を実施していきます。そして、青年会議所の価値を高めるべく、熱い「想い」と、効果的な「戦略」をもち高岡JCのブランディングを推進し、より市民から必要とされる組織へと変化をしていきましょう。

 

【ダイバーシティ&インクルージョン社会の実現に向けて】

近年、ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂)、この2つの重要性が叫ばれるようになりました。これは、Society5.0の実現により、全ての産業分野、あるいは、人々の暮らしが最適化・効率化され、経済社会が大きく変化するとともに、人口減少が進む中で、地域の持続的な経済成長を実現するために多様な人財の能力を引き出し、経済社会全体の生産性向上を図っていくことが必要不可欠であるからです。

現在、高岡に於いても、様々な企業の生産年齢人口の減少に伴い、労働力の需給が逼迫されています。今後の地域経済の発展は、企業の組織活性化、イノベーションの促進、競争力の向上に向けて、あらゆる人財を組織に迎え入れる「ダイバーシティ」が求められ、そのうえであらゆる人財がその能力を最大限に発揮でき、やりがいを感じられるようにする「インクルージョン」が求められます。この双方があいまって、認め合うことで様々な個性によって新しい価値が生まれます。我々は地域の青年経済人として、率先してダイバーシティ&インクルージョンを推進していく為にも、ダイバーシティの本質を学び深く理解していかなければなりません。これまでの固定観念を変えていき、市民一人ひとりが自分の可能性に挑戦でき、活躍できる人財を創り上げていきましょう。

 

【未来を担う子どもたちに希望を】

本来2020年に行われるオリンピックがコロナの影響で2021年に開催が延期されることになりました。我々、大人でも心躍る祭典であります。子どもたちにとっては世界のアスリートのプレイを見ることで、スポーツに取り組むきっかけを作ることや、あんな人になりたいという憧れを抱き、夢や目標を掲げ、自己肯定感を育み、自己研鑽による成長の機会を与える等、子どもたちの人間形成において様々な良い結果をもたらします。そもそも子どもたちにとってのスポーツとは、心身の壮健な発達促進をはじめ、克己心やフェアプレーの精神を培うとともに、仲間や指導者との交流を通じてコミュニケーション能力を伸ばし、豊かな心と他人に対する思いやりの心を育む性質を持っています。これらのことは青少年の健全育成にはなくてはならないものです。様々な競技を見たり体験したりすることにより、自己の新たな可能性の発見に繋がることもあります。

高岡JCは子どもたちの可能性を広げ、人間形成の機会を創出し、未来の希望を育んでいきます。また、社会全体にも活力を生み出すこともスポーツの良さだと私は考えます。多くの人々がスポーツに慣れ親しむ機会を創出し、市民が一体感を共有し、達成感を得て、希望を感じることのできる高岡を描いていきましょう。

 

【新たな文化の創造】

少子高齢化の進行や若者の県外流出などによる定住人口の減少で高岡の経済は今後、更に低迷することが予想されます。それを打破するために高岡市として総合戦略「みらい・たかおか」を策定し様々な取り組みを行っています。その中で私が注目したいのは「観光地の魅力の向上と発信」と「スポーツで健康なまちづくりの推進」であり、正確にはこれらを掛け合わせた「新たな高岡の文化」を創造できるのではないかと考えています。

高岡が持つ大きな強みは、多くの有形資産(歴史文化財)を保有し、その魅力を発信することで県外、国外からの観光人口が増加傾向を示していることです。しかしながら、財政難を抱える現状に於いては、更なる観光人口の増加はもちろんのこと、若者の地方離れ、コミュニティ活動の維持・継続等の地域課題に力を注ぐ必要があると私は考えます。その為にはスポーツが持つ力を活用していきたい。スポーツとは青少年の健全育成、地域コミュニティの醸成、経済発展への寄与、国際友好・親善への貢献等、地域活性化の大きな力になります。富山県には、野球、サッカー、バスケットボールと3つの地域球団があります。高岡市ではeスポーツ拠点施設も完成しました。個に於いては、近年、大相撲から大関朝乃山、バスケットボールからNBA八村塁選手が誕生しました。これらのことは、地域にとって貴重な財産であり、これまで築き上げてきた歴史都市文化とスポーツを融合させた「スポーツツーリズム」の確立を可能とします。

この実現により、観光客の増加が見込め、伴ってホテルや飲食店などが増え、雇用が生まれ、移住者・定住者の拡大につながります。これには、行政、企業、ボランティアからの持続的な協力体制の構築も必須となります。地域ぐるみで、まちに今以上の活気を生み、賑わうまちの創造につなげていきましょう。

 

【SDGsを原動力とした地方創生】

日本に於いて、少子高齢化や人口の東京一極集中が進んでおり、地方では、人口の減少と経済縮小などの課題に直面しています。近年、地方創生に向けた様々な取り組みが進められている中で、経済成長が社会課題解決に直結しているSDGsは地方創生と親和性が高く地域活性化の原動力となっています。このSDGsを推進することにより、行政、民間事業者、市民等の異なるステークホルダー間で地方創生に向けた共通言語を持つことが可能となり、地方創生の課題解決を一層促進することにつながります。

高岡JCとしては、昨年から何事にもSDGsを意識した活動を進めてきましたが、今年度は更なる地域の活性化に向け、「自律的好循環の創出」に加担できる取り組みを進めていきたいと考えます。その為にはSDGsが持つ特徴を今一度、全メンバーが理解することはもちろんのこと、自らの本業にも取り組み、更には、行政、民間事業者、市民等の広範で多様なステークホルダーの連携とパートナーシップの主流化を強めていきます。そうして、誰一人取り残されない、誰もが自分らしく生きられるまちを創造していきましょう。

 

【基礎から根底を考え新たな高岡青年会議所を構築する】

私たちはめまぐるしく変化する環境に迅速に対応することが求められています。時代に即した組織へと改革できるか、否か。それは、私たち一人ひとりの意識と行動にかかっております。これまで築き上げてきた伝統や創始の精神を大切にしながらも、未来に向けてあるべき姿を議論し、未来を見据えた組織へと変革していく必要があります。それには、総務と財務の両輪がしっかりと役割を持ち稼働しなければいけないと考えます。

総務とは青年会議所の基盤であり、私たちの運動を地域の発展へと昇華させる重要な要素として盤石な会議運営を行わなければいけません。厳格かつ適確な会議運営こそが青年会議所の運命を握っているといっても過言ではありません。そのためにも、各委員会との連携を密にし、会員相互のより強固な信頼関係を構築するとともに、行政、市民、企業、諸団体、学校などと緊密な連携をとって協働できる体制を強化していきます。そして、財務とは例えて、人体の健康を考える際、一番重要である心臓であります。心臓は血液を全身に巡らせるポンプの役割を担っており、LOMがメンバーから預かっている貴重な会費を血液に例えれば、この血液を絶え間なく全身に循環させるのが財務運営であると考えます。諸事業の効果を最大限に引き出すために、相対支出と費用対効果の観点から、適切かつ厳正な予算及び決算の審査、加えて、社会的信頼ある組織を追及するために、規則及びコンプライアンス等の財務審査会議を実施し、事業目的の達成を支援していきます。組織運営をする上で、本質的な変革を重ね、常に進化することによって、我々の運動がとりわけ説得力が増し更に地域の賛同を得ることにつなげていきましょう。

 

【経験や繋がりは継続と発展】

青年会議所の魅力とは何だろうか。それは、「機会の宝庫」であると私は考えます。「機会」は個人の持つ可能性、組織が持つ可能性、地域や国がもつ可能性を引き出すことを常に与え続けてくれます。高岡JCに於いても、日々の活動や運動を通じて提供される機会だけではなく、渉外事業や出向という機会を自ら掴み取ることで、自らの様々な可能性を引き出すことができます。全国各地で開催される事業への参加や全国の青年会議所に在籍する数多くの会員と交流することで、各地域の文化に触れるとともに、様々な意見や考え方を持つ会員と自己研鑽を重ね、それらから培った経験や知識を高岡のまちへと還元することは高岡の未来を見据える上で大きな一助となります。

また高岡JCは韓国大邱壽城青年会議所との交流を始め、昨年30周年を迎えました。世界との友好親善を目的に始まったこの交流は先輩諸兄から受け継がれてきた高岡JCの大きな財産です。年に一度互いの国を行き来することで異なる言語、文化に触れ、国を超えた友情を育み、豊かな感性を磨く機会を得ることができます。両会議所の深い友情に感謝し、率先して交流することで自らを磨いていきましょう。

 

【最後に】

「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」

これは、私自身が大事にしている信念であります。どんなことでも強い意志を持って行えば必ず実現する、結果が得られないのは成し遂げる意思を持って行動しないからだ。という意味です。

つまり、「為せば成る」の「為す」は、いわば目標達成のために自らの意思を持って行動を起こすということであり、その結果、自身の成長が得られ、組織の発展に寄与するといったことにつながるのです。そして、2020年に新たに策定した基本理念にある、この地域(まち)により良い変化を起こし、新たな文化を創る、魅力溢れる能動的市民をつくることに相通ずるものです。高岡を愛する我々こそができる「為す」は、会員一人ひとりの成長につながり、高岡青年会議所の活動を通して、市民へと伝播し、市民の意識変革を生み出していきます。「為す」ことが未来への礎になっていくのです。

高岡JCの未来は私たちが住むまちにあります。私たちの住むまちの未来を築くことができるのは私たちを置いて他にはいません。偉大な先輩、仲間、まちへの感謝の気持ちを持ちながら自分自身が感動し、そして周りをも感動させる活動へと昇華し、私たちのまちの未来づくりをともに進めてまいりましょう。

 

2021年【重点項目】

・LOM一丸となった全体拡大及び研修

・青年会議所運動の効率的かつ効果的な発信

・地域におけるSDGsの推進

・高岡JC運動方針に基づいた事業の実施

・日本JC、北陸信越地区協議会、富山ブロック協議会への協力並びに出向者支援

2020年【重点項目】 ・高岡JC創立50周年記念事業の実施 ・第39回全国城下町シンポジウム高岡大会の実施 ・LOM一丸となった全体拡大 ・LOM一丸となったSDGs推進 ・高岡JC運動方針に基づいた事業の実施 ・日本JC、北陸信越地区協議会、富山ブロック協議会への協力ならびに出向者支援
以上

2021年度 公益社団法人高岡青年会議所
〒933-0912富山県高岡市丸の内1-40 高岡商工ビル6F
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